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深田パーカライジング通信

めっき学校 報告コラム 第8回~シアン排水は二段反応させます!なぜならば!~

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めっき学校 報告コラム 第8回~シアン排水は二段反応させます!なぜならば!~
こんにちは 深田パーカライジングのT.Yです。
11月は先月から始まった実験が半ばまで続き、液分析や排水処理の実験をしていきました。
後半からは実験も終わり、また座学メインです。ずっと座りっぱなしなのが少し大変ですね。今思えば、学生の時はよくずっと授業を受けていられたと思います。

今回は排水処理の実験について書いていこうと思いますが、前にシアン排水について少し書いたのを覚えていますでしょうか?今回はシアン排水の実験もあったので、せっかくですから、それについて書いていこうと思いす。

最終的にシアンは炭酸ガスと窒素に分解されますが、その前にいったんシアン酸に酸化させる必要があります。
まずはシアン廃液に水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性にします。

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これに酸化剤として少しずつ次亜塩素酸ナトリウムを加えていくと、酸化剤によってシアンがシアン酸になります。これが一次反応です。

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上の写真は酸化剤を30㎖入れたものですが、最初に比べると少し白く濁ってきましたね。

このまま、全てのシアンが酸化されるまで加えていきます。
シアンを酸化するには酸化剤の中の塩素を使うのですが、酸化後は塩素が残るので、
酸化したかどうかは遊離残留塩素のありなしで判断します。

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酸化剤を60㎖入れるとだいぶ白くなってきました、ここで遊離残留塩素が出てきたのでシアンがすべて酸化したことが分かります。(右の写真は塩素と反応すると色が紫になる試験紙です。)

ここからさらに酸化剤を加え、20分待ちました。

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少し黄色っぽくなってきました。このシアン酸をさらに窒素や二酸化酸素に分解するには中性で反応させないといけないので、硫酸を加えて中性に戻します。

ここからさらに酸化剤を加えて窒素、二酸化酸素に分解していきます。ここが二次反応です。

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写真を見るとだいぶ濁りが無くなったのが分かります。
さらに下の方に何か白い濁りがたまっているのが分かりますか?これはシアンに溶けていた金属が金属塩としてたまったものです。

これをろ過した上澄み液を測ったら排水の基準値よってよりもシアンの量が少なくなっていました。
これで上澄み液は排水に流すことができるようになり、残った沈殿物は産業廃棄物としてゴミに出します。

今回の実験ではシアンの分解のためにアルカリ性のときと中性のときとで、2回反応させないといけないので少し大変でした。
実験で分解したシアン廃液はコップ一杯分くらいですが、実際には大量の排水が来るのでもっと大変なんだと思います。ただ実際にシアンを使っていると汚れを落としてくれたりとかなり便利なところもあり、なかなか手放せないなとも思います。少し危険な薬品ですがうまく付き合っていけたらいいですね。
ではまた、次回のコラムで
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