亜鉛めっきのほか、銀めっき、すずめっきなどの加工を行う、金属表面処理のスペシャリスト

search

03-3743-0216

平日 : 8:30~17:00 ※土日祝除く

phonelink_ring

 
HOME > 深田パーカライジング通信 > コラム > めっき学校 報告コラム 第10回~ ジグクラ (jig craft) ~

深田パーカライジング通信

めっき学校 報告コラム 第10回~ ジグクラ (jig craft) ~

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
めっき学校 報告コラム 第10回~ ジグクラ (jig craft) ~

こんにちは 深田パーカライジングのT.Yです。

1月も座学が多めでしたが、2月の頭に技能照査試験がありました。

そこでニッケルめっきの技能試験があるのですが、その時に使う治具を作る講義があったので、今回はそのことについて書こうと思います。


品物にめっきをつけるためには、治具が必要です。弊社ではある程度流す品物は決まっているので、基本的には治具は外注で作ってもらっていますが、今までやったことのないものなどが新しく来ると、それに合わせて治具を作ることもあります。

今回の講義ではその治具を実際に作ってみるというものです。


作った治具 

今回はこんな治具を作りました。
79548AD3-DC92-4EA0-AD73-956DDB94E105.jpeg

ちょっと今回、作っている最中の写真を撮り忘れてしまってすでに完成品ですけど、最初は真鍮棒と銅バーだったんですよ!


作り方 

まずは真鍮棒をコの字に曲げて形を整えました。ここがばねになって引っかかるので、品物の穴の位置よりも少し開いておきます。


そうしたらこれを銅バーにはんだ付けします。今回は先にフラックスを使って銅バーにはんだを乗せてから、そこに真鍮棒を置くように付けました。その時 真鍮棒を半回転転がすようにしたので、上側にもはんだが乗っています。

copy_443B22F3-9CDB-44A8-94BE-535E4B9F6DCC.jpeg写真はぼくが作ったものとは別のものですが、こんな感じになります。

 

真鍮を銅バーに固定した後で真鍮の先を棒ヤスリで削って引っかかりを作りました。外側を少し角度をつけることで、落ちづらくなるのとめっき液が治具との間に入りやすくなります。


copy_048DAF67-A0C2-4FBF-86A6-9329ACE5A4BA.jpeg


そのあとカソードに引っ掛けるためのフックを作り、品物と陽極板が平行になるように治具をひねってからテープを巻いて完成です。

 

カソードとは、治具に電気を流すための銅バーです。フックはカソードと治具の接点がなるべく広い方が電気抵抗が少なくすむのと、めっき液を撹拌する液流に揺らされないように、銅バーをしっかり挟むように作ります。
フックの先を少し曲げているのは、カソードから治具を取りやすくするためです。


copy_3BF9D61C-9484-4CD7-B255-B90030904342.jpeg意外とここがけっこう難しくて、実際にフックを作ってみると銅バーが思ったよりも薄く、万力などを使って曲げていきました。


このままだと今回の品物では陽極板と垂直になってしまい、うまく電気が流れてくれないので、さらに治具の中腹を90°ひねります。


copy2_443B22F3-9CDB-44A8-94BE-535E4B9F6DCC.jpeg(これもぼくが作ったものとは別のものです)

テープは治具に無駄なめっきが付かないようにするためのものです。
テープを巻くときは、テープが重なるところに段差ができ、そこに液が溜まってしまいます。
なので、段差が下を向くように下からテープを巻いていきます。これでやっと完成です。



copy_F27630D1-7E65-4762-8C82-FBBB1422EE1B.jpg

最後に


今回、治具を作ってみましたが、はんだがうまく乗らなかったり、ばねの引っかけが浅すぎて品物が落ちそうになったり、けっこう大変でした。

学校の技能照査のときは今回の治具をそのまま使いましたが、めっき検定のときは試験中に治具も作るので、時間が足りなくなってしまいそうです。

検定の前にまた治具づくりの練習をして、少し慣れておいた方がいいですね。

それではまた次回に、

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問合せ

お問い合わせは、お電話、もしくはフォームからお寄せください。

03-3743-0216

03-3745-5271

平日 : 8:30~17:00 ※土日祝除く